ささやかな暮らしの喜びは
分け合うこころ 時が重なる
ベランダにいる君を眺めている
そこにあるちいさな日だまりは
あたたかな幸福の灯火
二人きりの舞台に差し込む
七色のスポットライトが
閉ざされた物語を鋭く映し出す
君の笑顔が僕の生きる道標
何よりも輝いている
君への思いは 飽くなき明日への願望
未来を希求する己の貪欲な姿も
いつかは全てを捧げる真実の愛に変わるだろう
自己愛じゃない 自己満足じゃない
永遠を求めているのは
ただ一筋の光でもいいから
君とつながっていたいからなんだ
急にベランダが暗くなった
雲のせいだろう
平安が不安を呼び起こす
<不意に訪れる絶望さえ
運命が幸福と共に与え
歓喜と相殺されるものだと
合致しろというのか?
何かを手にすることは
同時にそれを失うということなのか?
そうでなければならないのか?>
夢にまで見た 目の前にある幸福が
何もかもの終わりを象徴し
有限と永遠との折り合いがつかなくなる
雲が通り過ぎたのか
ベランダが明るさを取り戻し
時間が急激にブレーキをかけた
君は背伸びしながらまだ洗濯物を干している
<僕たちは常に未来を生きている・・・>
過去から継続的につながっているであろう
膨大な時間というものが わからなくなった
今は君の眼差しの中に生きる僕だけが僕なんだ
<僕はいつか絶望するのだろうか?
いやきっと絶望するだろう それはわかっている
しかしやがて訪れる終末のその先に僕は・・・>
新しい季節が近づいているのか
陽の光が力を増してゆく・・・
眩暈の様な一瞬の閃光の中に世界の終わりを予感し
ベランダにいる君との僅かな距離さえ耐えられなくて
急いで駆け寄り抱きしめた
「どうしたの?」って 笑顔で見上げる君に
「なんでもないよ」って キスをした