ベランダ

2008年04月25日 19:36

ささやかな暮らしの喜びは
分け合うこころ 時が重なる

ベランダにいる君を眺めている
そこにあるちいさな日だまりは
あたたかな幸福の灯火
二人きりの舞台に差し込む
七色のスポットライトが
閉ざされた物語を鋭く映し出す
君の笑顔が僕の生きる道標
何よりも輝いている

君への思いは 飽くなき明日への願望
未来を希求する己の貪欲な姿も
いつかは全てを捧げる真実の愛に変わるだろう
自己愛じゃない 自己満足じゃない
永遠を求めているのは
ただ一筋の光でもいいから
君とつながっていたいからなんだ

急にベランダが暗くなった
雲のせいだろう
平安が不安を呼び起こす

<不意に訪れる絶望さえ
 運命が幸福と共に与え
 歓喜と相殺されるものだと
 合致しろというのか?
 何かを手にすることは
 同時にそれを失うということなのか?
 そうでなければならないのか?>

夢にまで見た 目の前にある幸福が
何もかもの終わりを象徴し
有限と永遠との折り合いがつかなくなる

雲が通り過ぎたのか
ベランダが明るさを取り戻し
時間が急激にブレーキをかけた
君は背伸びしながらまだ洗濯物を干している

<僕たちは常に未来を生きている・・・>

過去から継続的につながっているであろう
膨大な時間というものが わからなくなった
今は君の眼差しの中に生きる僕だけが僕なんだ

<僕はいつか絶望するのだろうか?
 いやきっと絶望するだろう それはわかっている
 しかしやがて訪れる終末のその先に僕は・・・>

新しい季節が近づいているのか
陽の光が力を増してゆく・・・
眩暈の様な一瞬の閃光の中に世界の終わりを予感し
ベランダにいる君との僅かな距離さえ耐えられなくて
急いで駆け寄り抱きしめた

「どうしたの?」って 笑顔で見上げる君に
「なんでもないよ」って キスをした

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    Author:miyaviya
    鎌倉生まれ。O型。